サイエンス私感

私は無名の自称サイエンティスト。まだ研究歴も長くないし、大した業績もないのだが、サイエンスの面白さは少し知ってる。それは、一見乱雑に見える現象から法則性を取り出すという過程にあると思う。相手は自然現象であり、それを記述する行為は芸術に近いと感じている。生の自然に対峙する感覚とでもいうのだろうか。そういうことを感じるときがごくたまにやってくる。あと、論文を書いていて、煮詰まってどうしようもない状態からポーンと一気に道が開けることがある。そういうのもサイエンスの面白さかもしれない。個人的には仏教でいう他力に拠るところがかなり大きいと思ってる。予定調和の世界ではない。論文通ったり、発表がうまくいったりとか、仕事を通じていい人と知り合う、とかそういうのもすごく面白いし、えらくなったら金(研究費だけど)が自由になるとか権力をもてるとか、そういう魅力もあるんだろうが、それはサイエンス本来の面白さとはあまり関係ないのではないかと思う。