土日は同じ職場のMさんと二家族でペンシルベニア州まで機関車トーマスを見に行った。蒸気機関車のテーマパークみたいなのがあり、そこに年に2回くらい等身大のトーマスが来るのである。石炭で動く蒸気機関車である。竹熊健太郎の作品で、中央線にトーマスの顔を貼り付ければバカバカしくなって誰も自殺しなくなるだろうというのがあった。そんなことを思い出しながら子供と楽しんだ。とうもろこし畑の中のトーマス、なかなかよかった。目的はこれだったのだが、トーマス以外にもこの周辺にはいいものがたくさんあった。その辺にはAmishという人たちが住んでいる。電気を使わないということで有名な人たち。キリスト教の独自の教義と文化を守って生活している。北海道のアイヌのように、もう絶滅しかかっているのかと思いきや、Amish独特の服装をしている人たちがそこらじゅうにいる。また、あたりを車で走ってると馬車と頻繁に出会った。最初は観光馬車だろうと思っていたのだが、いやに地味で二人乗りのもある。それらはAmishの移動手段なのである。彼らは車に乗らないので。写真もとってはだめ。テレビ、コンピューターはもちろん、電気は使えない。でもプロパンガスはよい。アイソレートしてるから。電話はかけてもいいが、家の中にはひかない。教育は8年、女性は一生髪を切ってはいけない、離婚は禁止。服装は年齢や性別、既婚、未婚などにより決められている。偶像崇拝を避けるということにかなり重きをおいた教義だと思う。理にかなっている部分も多いと思った。僕などは「開かれた」とか「グローバル」とかそういう価値観に、しらずしらずのうちに従属している。なぜかわからないが世界に向けて発信とか世界にはばたくとかそういうことがいいことだと信じ込んでいる。24000人のAmishが閉じた世界で生きている。そこで生まれた人のうち10%は離脱するらしいが、人口はどんどん増えているらしい。1億2千万の日本人が閉じた世界で生きても別に問題ないじゃないかと思う。ま、そういう理屈はさておき、景色がよく、食べ物がとってもおいしかった。それだけで十分よかった。このごろ殺伐とした毎日だったのでいい気分転換になった。