クイックジャパン vol.59このごろ毎晩、N君の送ってくれたQJen-taxiを読んでいる。どちらも非常に読むところの多い、すばらしい雑誌。2冊ずつ送ってもらったのだが、どれも8割以上読んでいる。これまで関心のなかった分野のことも知ることができてよい。たとえばお笑い。コユキが表紙の号(ハロルド作石先生と江口寿史の対談もよかった)に「千鳥」とかpoison girl bandのインタビューが出ていた。彼らが面白いのかどうかは知る由もないが、たぶん面白いんだと思う。いいことを言ってる。たとえば「千鳥」。「たぶん、お笑いのネタつくるひとってふた通りあって、"つくる"んと"探す"んと。たちの悪いのが "探す"んで、オモロいことを考えるときに、他の芸人のこと思い出して、あれ良かったなあ、ってそこから膨らませていくんですね。」って。大吾という人は特に、離島で育ったこともあり、おそらくゼロから作ることの面白さを知っている人なのである。これを読んでハッとした。研究者もお笑いと同じだ。大多数の人は、"探し"てやる研究をしている。ゼロからやる研究なんてほとんどない。そして、この世界では、圧倒的に要領よく"探し"て、あるいはのれんわけのように師匠から分家したり、まねしてやる人のほうが強いのである。僕には恩師がいるのだが、彼はゼロからやることを伝授してくれた。逆に言うと、のれんわけはしてくれなかったので、ブランドの強みがなく、実につらい。でも、たぶん、もし生き残ることができたらの話だが、そのほうがいいのである。「面白い人は残る」とレイザーラモンの人が言ってる。おそらく研究の世界もそうだと思う。わが師はそこまで意識して僕を育ててくれたのだと思う。仰げば尊しわが師の恩。いまだに苦しい日々が続くが、とにかく面白いことをやろう。少なくとも、自分が面白いと思えることをやろうと思う。
ここ数日ちょっと悲観的になり、本気で日本に帰ることを考えていたが、気をとりなおした。何かちょっとわかってきたような気もするのである。まあもう少しがんばろう。

しかし、このごろ同じようなことばかり書いてるな。