Room Full of Mirrors: A Biography of Jimi Hendrix

Room Full of Mirrors: A Biography of Jimi Hendrix

ジミヘンドリックスの伝記、ものすごく面白い。この人は母親が17歳のときの子供で、生まれる前に父親は兵隊にとられ、母親は女手一つでは全然育てられず、生活は破綻し、ほとんど親戚や近所の人に育てられた。両親は離婚。以後父親と弟と一緒に暮らすが、父親は肉体労働に疲れてあびるように酒を飲み暴力をふるい、極度の貧乏に苦しむ。長い間彼のギターはほうきだったという。16歳でやっとエレキギターを手に入れ、ガールフレンドもできて楽しい高校時代を送るも父親の都合で何度も何度も学校が変わり、ドロップアウト。ほどなく車を盗んで捕まり、刑務所に行くか軍隊に行くかの選択を迫られて陸軍に入る。パラシュート部隊の過酷な訓練に前向きに取り組むも、バンドをやるようになってから軍隊生活に嫌気が差し、ホモのふりをして除隊となる。それからいろんな人のバックをつとめ、ドサまわりの生活。彼の音楽性は理解されず、リーダーと衝突してはクビの繰り返し。しかしある日キースリチャーズのガールフレンドの目にとまり、彼女を通して理解と力のある人たちと出会い、イギリスに渡って大ブレイク。その後アメリカに凱旋し、ドラッグ、セックスと音楽のむちゃくちゃな日々をすごす。とんでもないエネルギーで疾走している感じ。これは早死にしても仕方がないという気がする。60年代の後半というのは本当におもしろい時代だったんだろうな。300以上のインタビューを重ねて執筆されたという本で、信頼できる情報をもとにほんとうによく組み立ててある。日本人が好きそう。