Phantoms in the Brain: Probing the Mysteries of the Human Mind

Phantoms in the Brain: Probing the Mysteries of the Human Mind

脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)「脳の中の幽霊」。日本の本屋で見たことはあったが、なんとなく表紙が嫌いで読もうと思わなかった。
また、幻肢やneuropsychiatryのカテゴリーに入ることにはあまり興味がもてなかった。視野が狭かった。

カナダの行き帰りでダマジオの本読んだらにわかにそのへんのことが知りたくなった。読んでみるとこれは大変面白い。豊富な事例と無理のない科学的考察。一般向けの脳関連本にありがちな針小棒大の拡大解釈と単純化がまるでみあたらない。「足フェチ」の話なんかが自然な流れで出てくる。すごい。
冒頭に、脳科学はまだ科学としてはごく初期の現象を観察する段階であり、理論から演繹して展開できる段階ではないという著者の考え方が述べられている。これを読んで嬉しかった。こういうこと言ってくれる人は本当に少ない。