先週日本から友達が来てDCを見て回った。いろいろと発見があり楽しかった。ワシントンモニュメントに上ったことのある人って僕の周りでは意外と少ないのだが、あれはいい。DCに来たら早いうちに上った方がいいと思った。DCは高層ビルないし、あの場所から見渡す景色は他では味わえない。なんかDCに愛着がわいてきた。

ちょうどそのときフランス人ギタリストmarc デュクレ がボルチモアに来ており、それも観に行くはずだったのだが時間の都合がつかず、見送った。昨日ニューヨークでそのグループの最後のギグがあったので、思いきって仕事を休んで行ってきた。泊まらないで帰るには車で行くか帰り11時NY発のバスに乗るしかない。車は壊れかかってるし、NYまで一人で運転するとものすごく疲れるのでバスにした。帰りのバスはDC着が午前4時くらいなので、DCまでは車で行かなくてはならない。朝早めに出たのだが、すごい渋滞のうえに、ちょうどホワイトハウスの近くを走ってるときにラジオでホワイトハウスの隣で火事とかいうニュースがあり、煙がみえた。そこはなんとかこえたけど、ガソリンがなくなりかけてたのでガソリンスタンドを探した。これが全然ない。結局東側のなんか危なそうな場所に行って給油。BPのスタンドだったが、クレジットカードが使えない。もたもたしてたらホームレスの人がやってきて、なぜか80セントくれーといってきた。今忙しいといって売店に行ったら先払いのシステムとのこと。10ドル払ってちょっと給油し、チャイナタウンに戻って車をとめ、バスを待った。待合室で、また乞食っぽい人がオレのほうに暖房を向けて、あったかいからもっと近くに寄りなよ、と親切に言ってくれたがあまりうれしくなかった。

一年ぶりのチャイナタウンバスはちょっと臭かったが快適だった。しかし、ガソリン高騰の影響か、ボルチモアフィラデルフィアに立ち寄るのである。前はそんなことなかったのに。フィラデルフィアで渋滞にまきこまれ、NYに着いたのは5時過ぎだった。地下鉄に乗ろうとホームに入った後、周りの人にこれはアップタウンにいくのかと聞いたら行かないという。どうやって反対側のホームにいくのか聞いたら、一回出なきゃだめだという。一回出たけど反対側にいく方法がわからないのでそこに戻り、駅員にアップタウンに行くにはどうすればいいのか聞くと、ここから乗ればいいんだよ、とめんどくさそうにいう。もう一回確認すると露骨にイヤな顔をしてた。

今回は演奏のほかには旭屋書店に行きたかった。ニューヨークは何度か行ったけど、日本の本屋があることを忘れてた。友達が持ってきてくれた雑誌で読んだ佐藤優の文章が強烈だったのでぜひこの人の本が読みたくて。42nd streetで地下鉄をおりたらそこはタイムズスクエアだった。タイムズスクエアも初めて。すごい人。みんな歩くのがものすごく速い。そこからマジソンに向かって歩き、ちょっと北上したら旭屋、ありました。ほんとに日本の本しかないので感動して店の外からちょっとみてたら、なんかちゃんとしたかっこした若い日本人の女の人に変な目で見られた。店の中は日本人ばかり。日本の書店みたいだった。雑誌や新刊書も充実していた。レジでは日本人の店員が「15ドル20セントになります。ポイントカードはお持ちでしょうか」なんて言ってた。面白い感じだった。佐藤優の本を買って、店頭にあった地球の歩き方でSt Patrick's Cathedralはどこにあるのか探して、そっちに向かって5thアベニューを歩き出した。ずいぶん混んでるので、何かあるのかと思って左を向いたらロックフェラーセンターのクリスマスツリーがあった。きれいだった。パトリック大聖堂をみたあとそういえば前この辺でトンカツ食べたっけと思い出し、トンカツが食べたくなった。あったらいいなと思いながら歩いていたらかつ濱があったので感動した。迷わず入り、ロースカツのセットメニューを頼んだらロースカツはちょっとで、海老フライとコロッケがついてきた。生ビールも食べ物も全部おいしかったけど、もっとロースカツ食べたかった。

まだ開演まで時間があったのでそこからイーストビレッジまで歩いた。ニューヨークにいるとよく歩く。歩いてるだけで楽しいし。でもなんか腹の具合が悪くなってきて、トイレをかりようと14th streetのマクドナルドに入った。コーヒーを買ってトイレ貸してくださいといったらそこの人に聞いてといわれた。ちょっとおしゃれなモーガンフリードマンみたいな人がトイレの番をしてる。その人にトークンをもらってトイレをあけたら黒人の男が用を足しているところだった。なのでもう一つのトイレにはいってしばらくしたら、外から、その人が猛烈に怒ってるのが聞こえる。うわーヤバいなと思って少し長めにトイレに入って、意を決して外に出たらもうその人はいなかった。

その後タクシーでstoneに行ったらもうちょっとで始まるところだった。あこがれのmarc デュクレがいた。髪の毛はすっかりなくなってたけどmarcだ。やっと生で聞けると思うとうれしかった。marcは今回はangelica sunchezという人のバンドのサポート。そのバンドのメンバーはなんかみんなムッツリしててこわい感じ。リーダーも女性なんだけど、すごい近寄りがたい感じだった。演奏もそんな感じ。すごい上手で高い音楽性なのはわかるんだけど、近寄りがたい感じ。marcの見せ場はたびたびあったけど、リーダーの方向性が、客を楽しませようという感じの音楽ではなかった。一時間の演奏はすぐ終わってしまった。アンコールもなし。

バスが出るまでに2時間あったので、チャイナタウンまでまた歩いた。途中ソーホーを通ったらユニクロとか無印があった。そういえばソーホーも初めてだった。バスのところについてもまだ時間があったので、近くの中華屋に入ってお茶でも飲もうと思い、デザートかなんかないですかと聞いたら苦い顔をしてないという。なのでちょっと早かったけどバスに乗ってしまい、佐藤優の本を読んだ。すごく面白かった。うつらうつらしていたら3時半にDCに着いた。この時間に歩くのは危ないかなと思ったけどそういう感じはあまりなかった。駐車場にいって車に乗り、家に帰って寝た。長い一日だった。

こんなくだらないことをだらだらと書いたのは、なんか、ニューヨークに対して抱いていたフェティシズムみたいなものが僕の中からだいぶなくなってしまったという感じを書きたかった。16歳で初めてNYに行ったときはほんとにウソみたいに輝く街だったんだけど。だって信号機まで美しく見えたんだから。今はそういう感じはほとんどない。20年経って街も変わったんだろうけど、オレがおっさんになったということなんだろうな。ま、健全な方向だと思うけど。住めば都というけど、今はNYよりもDCの方が好きかも。住まなくても都なんだけど。

野蛮人のテーブルマナー

野蛮人のテーブルマナー

あ、ニューヨークで初めてm&m'sのダークチョコレート版食べた。すごくおいしかった。これを食べてるときにおなか壊したんだけど。