まんが道、読み始めた。面白い。7巻までしか読んでいないので、まだ上京するところまで。このへんまでが一番幸せな時期なのかもしれないな。地獄はこれからだろう。
満賀の勤める高岡新聞社には、図案部というのがあり、カットとか広告のデザインとか、全部ここでやっていたらしい。昔は外注が当たり前ではなかったから、広告代理店というのか。この何というか、自主制作感というのか、一元化されていない自由な感じ。これがとてもすばらしいと思った。
地方の本屋にたまに入荷する手塚先生の漫画とか、漫画少年などの雑誌の貴重な感じ。あれもいいなー。そう遠くない昔、書店で本を取り寄せるったって1ヶ月とかかかってたんだ。どこからどういう仕組みで本がやってくるのかなんて全然わからなかった。だからなんか、本というものは特別なもので、貴重品という感じがあった。書店も、非日常の出先機関という感じで、特別な場所だった。
アマゾンもネットもあり、kindleiPadも普及しようかという現在は、ものすごく便利でいいんだけど、あまりにフラットで透明になってしまって、そういった付加価値が損なわれている感じがする。
今の時期に満賀と才野が若かったら、ネットでどんどん自分の作品を発信するんだろうか。あの時代の、堅固なる出版界に食い込んでいくことで得られる充実感、達成感がこの漫画からはとてもよく伝わってくるんだけど、そういう感覚はこの先どんどん得られなくなっていくんだろうな。それでも人は作品を発表し続けるんだろうか。

まんが道 (1) (中公文庫―コミック版)

まんが道 (1) (中公文庫―コミック版)