卯月妙子さんの日記を読んだ。統失の診断になって薬が変わってから、日記の文体ががらりと変わっている。まるで毒が抜けてしまったかのようだ。今日読んだ日記には「嘘も詮索も欺瞞も全て、「おはよう」「おやすみ」の前では帳消しになっちゃう。どんな諍いがあったとしても、そんなのは「おはよう」「おやすみ」のひと言で、リセットされちゃうんであります。新しい朝が来る。こんなに素敵なことはないですよ。」と書いてあった。新たなステージに到達したという感じ。人間の精神は薬で変わってしまうのである。麻酔すると精神なんかなくなっちゃうし。脳損傷でも変わるし、おそらくなくなる場合もある。そんなものなのに、何故か自分には自分固有のゆるぎない精神の原型のようなものがあるような気がする。どうしても。