アカルイミライ 通常版 [DVD]

アカルイミライ 通常版 [DVD]

レンタル屋に「アカルイミライ」があったのでmarch of the penguinsとともに借りた。March of the penguinsはずいぶん評判よい。同じ職場でもみた人はすごくよいといっていた。確かによかったが、別にペンギンにそれほど思い入れのない僕もわが娘も最後まで集中力を保つことができなかった。
夜になってからアカルイミライをみた。オダギリジョーがとてもかっこよかったが、映画はひどかった。かなりがっかりした。単純労働の職場で友達になった浅野とオダギリ。どちらも社長が嫌い。浅野の飼っている毒くらげの水槽に社長が手を入れたとき、危険を知らせなかったことに社長が怒り、浅野は職場を去る。浅野は何故かわからないがその後社長夫妻を殺す。怒られたから?オダギリも社長に相当ムカついており、貸したCDを取り返しに棒をもって社長宅に乗り込む。そしたらもう殺されていたあとだった。刑務所に入った浅野は自殺するのだが、東京に毒クラゲを繁殖させることをもくろんでいたらしく、オダギリがその遺志をつぐ。オダギリは浅野の父藤竜也の廃品回収業を手伝うことになる。それも長続きせず、妹の会社で雑役をし、その会社で、顔(ゲバラ?)の書いたTシャツを着た一団の泥棒の手引きをする。若者の一団は捕まるがオダギリは逃げ延びる。一方でいつのまにかクラゲは東京の川で繁殖し、刺された人が死にそうになったりする。挙句の果てに藤竜也がクラゲに刺されて死ぬ。それでおしまい。ワケがわからない。何かメッセージがあるのか?まったく共感ができない。メッセージがないのなら、ただオダギリとか浅野とかクラゲを映していればいいのに。自分の性格の悪さが出るのがこわいので、この日記では極力他人や作品などをけなすことを避けていたが、この映画はちょっとひどすぎる。個人的に東京の街並みを映画でみるのは大好きだし、オダギリジョーとかクラゲはとても美しかったのだが、とにかく意味がわからない。たとえばあの社長が浅野とオダギリに何をしたというのか。気に入って目をかけてやり、家で食事をふるまったり、給料の3か月分ボーナスをあげたり、正社員にしてやるとまで言ってあげてるのだ。ちょっと個人的な雑用を手伝わされたり、昔話を聞かされたり、家に入り込んで卓球をテレビで見たからといって殺すのか?藤竜也と浅野との親子は5年間話していないということだが、世代間のコミュニケーションの困難ということがテーマなの?浅野が毒クラゲを東京で繁殖させた意図はなに?反社会的行為?それはわざわざ遺志をついで継続するほどのことなのか?本当にワケがわからない。あと、殺された社長の娘が街をあてどなくさまようシーンもずいぶん思わせぶりだが話の展開には関係ないだろう。あと、オダギリが短気を起こしてクラゲを床にぶちまけたところ、しばらくあと、床下でリッパにクラゲが生き延びていたりするのだが、それじゃあ水上生活者じゃないか。そういえばオダギリが、夢で未来のことがわかるということを言うのだが、これが映画の展開とどう関係あるのかがわからない。アカルイミライというタイトルも意味がわからない。芸術映画だからわかる人にわかればいいのか?僕にとってはこれまで見た中で最悪の映画かもしれない。