マグノリアをみた。
マグノリアって語感がなんとなく
サスペリアと似てるからホラー映画かと思ってた。
アメリカに来てわかったのだが、日本で言うこぶしの花のことらしい。でもどうしてこの花の名前がタイトルなのかはよくわからない。メインテーマは父と子の関係ということが一つ。もう一つは事実は小説より奇なりというか、生きていることのダイナミズムをじかに描こうとしている映画だと思う。すごく面白かった。3時間、あっという間に過ぎた。
Netflixのサイトで、同じ群像劇ということで、Crashと比較されていた。確かに似たテイスト。全編fuck とかcocksuckerとかそういうstrong wordで満ち溢れていて、死にそうなのに娘に罵倒される人とかまさに死にかけているのに久しぶりに再会した息子に呪詛の言葉を浴びされる人とか、おそらく父親に虐待されたせいでドラッグにおぼれる娘、とてもいいやつだが世渡りの下手な警官、少年時代からクイズ番組の回答者として鍛え上げられて人生棒に振った人、父親に強制されてこれからそうなりそうな子供、金目当てでかなり年上の金持ちと結婚していろいろと
背信行為を働いたが夫が死にそうになってから実は愛してしまってることに気づいて後悔にさいなまれる人。どうしようもなくきつい境遇にある人が多い。その人たちの抱えてる問題の総量は相当なもので、当然それが全部解決するわけではないのだが、最後に救いのあるエピソードが3つほど描かれる。
カタルシスとまではいかないし、そんな単純な終わり方ができる映画ではないのだが、観終わった後の感じはかなりよい。今思いついたが、テーマはもう一つある。男というものがいかにバカな生き物かということについて。
末井昭が考察しているようなことと近いと思う。
トムクルーズはいかに女性を支配して男の人生をまっとうするかという
セミナーの主催者として登場する。実際こんな人いるわけないと思うのだが、安っぽいカリスマを見事に演じきっている。すごくよかった。僕は
トムクルーズ大好きだ。あまり彼の出ている映画みたことないが、アイズワイドシャットでの軽薄な医者役もほんとうによかった。あと音楽がものすごくよい。サントラほしい。
しかしこのごろ身にしみる感じの映画が多い。考えさせられる映画によくあたる。オレ自身人生後戻りできないことが増えてきているので、他人の人生にも少しは共感できるようになってきたのかもしれない。