もう一度みた。Eternal sunshine of the spotless mind. 夢の中のシーン、脈絡ないかと思ったら、大部分は時間を順にさかのぼっての回想だということがわかった。2回見ても全然飽きないどころか、2回見ないとわからないことがたくさんあった。
いやしかしそれにしてもほんとうにいい映画だ。人が死んだとき、記憶の中に永遠に生き続けるだろう、というような言い方をする場合があると思うのだが、記憶だって永遠じゃないのである。一人ずつ一つ脳があり、その中にある記憶の豊かで複雑なことよ。記憶している本人にもその全貌はつかめないのである。それなのに、記憶、それははかない。脳の病気によっても、普通にしていても、記憶は消えていく。死んだら根こそぎなくなる。
記憶の唯一無二のパーソナルな感じ、脆弱さに気づかされる映画である。記憶の論文読んでいてもこういうことは考えない。こんな映画が作れる人がうらやましい。こういう、「既にそこにあるもの」の貴重さをさりげなく人に気づかせるようなことができる人はすばらしい。この映画作った人たちのことにますます興味がわいてきた。