もう11月も下旬に入った。今週はサンクスギビングなので水曜日で終わりみたいなもの。金曜日も働くけど早じまいして温泉に行こうと思っている。木曜日はTurkey Chaseと銘打った10kmレースに出ようと思っている。ひと月ほど前から、といってもまだ4回しか走ってないけど、職場の人と一緒に走り始めた。誰かと一緒に走るなんて、そういえば高校生のとき以来だ。一人で走るのとは全然違う。長く走れる。いつもCresceent Trailという、ベセスダからDCへぬける美しい道を走ってることも大きい。アパートの周りを走るのとは全然違う。でもまだ6.4キロが最高で、10キロなんて生まれてこのかた走ったことがない。完走できるかどうかわからないけど、新しい靴も買ったしなんとかなりそうな気はする。

昨日弁当を忘れて昼一時帰宅してテレビを見ながらご飯を食べた。FOXチャネルのDivorce court の終わりの方からみた。この時間帯は、30分ずつ3つ連続で模擬裁判番組なのだ。どぎつくて面白いんだけど、出てくる人がとてもイヤなオーラを発してる人ばかりで、なんかみてるだけで健康に悪い感じ。2番目の番組で出てきたのは、癒しを求めて犬を飼おうとペットショップで金を払ったが犬が届かない、という訴えの元女子プロレスラー。被告人のペットショップの人の言い分は、発注先がなかなか犬を送ってこなかったんだ、とのこと。金を返さなかったのは息子が糖尿病でICUに入ったりして金が必要だった、とのこと。すかさず元女子プロレスラーは、私にだってたくさん請求書は来るのよ、だって。元女子プロレスラーは、現役時代の写真をみるとそれなりに美人なのだが、現在は体型も肌もかなり崩れてしまっている。被告人とその娘は揃ってすごいデブで、表情暗し。どちらも荒れた生活を伺わせる。結局判事さんは、被告人はすぐにお金返しなさい、というまったく当たり前の判決を言い渡す。結局、出てくる人がお互いののしり合ったり、さらし者になってるのをみて楽しむ番組なのだ。その番組のコマーシャルも、弁護士のコマーシャルとか、健康保険のとか、車を担保に金貸します、とかもう全部荒んでる。この番組が終わったらすぐ次が始まった。今度は出てくる人全員黒人。原告は38歳の男性。19歳のときに銃で撃たれて失明し全盲。なんと5回も銃撃にあってるという。訴えは、別れた妻との間の11歳になる息子が自分の子供ではないと証明したいというもの。妻はその子が生まれる前に浮気していた事実があるとのこと。そこまでみてやめたが、30分、裁判とは関係のない、私生活の暴露合戦が繰り広げられたのだろう。あの人たち、出演していくらもらえるんだろう。恥を金で売るということなんだろうな。これ、毎日やってるらしい。こんなのずっとみてたら頭おかしくなるよ。アメリカは荒んでる。

そういえば、今週ワシントンポストの日曜版についてくる雑誌で、40歳にして米軍に入隊した人の話が出てた。少し前まで入隊は35歳までという年齢制限があったのだが、最近40歳に引き上げられ、すぐに42歳にまで上がったらしい。イラクアフガニスタンにすぐ派遣される可能性大ということなのだが、年棒1万8千ドルだって。福利厚生とか職業訓練のことを考えると、その人にとってハワイにはそれよりいい職はないとのこと。ハワイの海岸には今ホームレスがたくさんいるらしい。アメリカは常に戦争を続け、それで大もうけをしている人がいる一方、戦争に行って危険な目にあうのは貧乏人、というまったくわかりやすい社会構造がある。アメリカは荒んでる。日本が懐かしくなる。日本もこのごろ厳しいんだろうけど。

ナンシー関大全

ナンシー関大全

小さなスナック

小さなスナック

昨日寝る前にナンシー関大全を読んだ。その後リリーフランキーナンシー関の対談集を読んだ。もうアメリカに来て何回読んだかわからないけど、何回読んでもいい。精読しなくても、考えなくても、わかったふりなどしなくても、すっとその中に入れて自然に笑える。母国語っていいもんだ。もちろんそれは書いてる人が優れているからこそなのだが、本屋に行って探せばこうやってしっくりくる本を買うことができる日本っていいなー。おいしいものもあるし、温泉もあるし、望郷の念は強まるばかり。