コーネリアス、みてきた。はっきり言ってアメリカで3年半過ごした中で一番いいものをみたって感じ。
すばらしかった。ほんと、日本人とかアメリカ人とか関係なく、ものすごく幸せな時間で、このときがずっと続いてほしいと思った。たぶん90分くらいだったと思うんだが、あれくらい短い90分はこれまでなかったかも。
前座が9時からだというので10時くらいに行ったらかなりの人が当日券の列に並んでる。僕も並んでだいぶ待って券を買って中に入ったら、ほぼ満員。日本人のローディーが幕張ったりしてた。テストパターンみたいなものが映されるとみんな喜んで、影絵をやり始める。今回職場の人を誘ったのだが、Japanese rock bandという僕の紹介の仕方が悪かったようで、誰も来なかった。なので一人だったのだが、そばにいた酔っぱらいのお兄ちゃんが僕にちょっとビールをかけて、ごめん、でもこれ防水だよね!ってな感じで話しかけてきて、何?日本から来たの?俺は前座見に来たんだけどお前が日本から見に来たんだったらかっこいいんだろうね、コーネリアス、みたいな感じでその友達と盛り上がってファックユー!とか言いはじめて、中指で影絵とかしはじめたら、熱心なファンに「おい、このバンドはそういうんじゃないんだよ、失礼だろ」みたいな感じで注意されてた。すごい剣幕だった。演奏が始まると、みんなとにかくこれがアメリカ人かと思うほどおとなしくみてる。もちろん踊ったりかけ声かける人もいるんだけど、それよりも集中して映像をみて演奏を聴きたいという素直な欲求を感じた。曲が終わるたびに拍手喝采なのだが、そのあとどよめきに変わる。演奏は本当にすばらしく、ほんとうに一つ一つの音を大切にしている感じがして、あの映像とのシンクロもものすごい職人芸だし、とにかくプロフェッショナルという感じ。会場の雰囲気は一言でいうとリスペクトという感じ。小山田圭吾はサンキューしかいわないんだけど、それでじゅうぶん。客をステージにあげていっしょにテルミン演奏したり、サンプラーを会場にまわしたり、サービス精神旺盛で、ショーマンシップっていうんでしょうか、とにかく完璧な演奏をしながら客を楽しませるという離れ業を無表情にさりげなくやってのけていて、ほんとうにかっこよかった。会場からは、ドラム半端じゃねー。イヤホンでリズム聴きながらやってんだよな。とかそういう声も聞こえてきて、とにかくみんなよく聞いてる。演奏が終わった後は無表情で演奏していた小山田さんもメンバーもみんなニッコリして会場の声援に答えていた。アンコールもしっかりやってお客さんは大満足。このバンドすげえ、オレTシャツ買っちゃうよ!という声が聞こえた。物販には人が並んでた。
最近日本からのニュースは暗いものばっかり。日本が世界中から相手にされてないとか、医療問題とか、年金問題とか。いってみればすべて経済がらみ。でもそんなの日本のごく一部じゃない。日本の宝はやっぱり人ですよね。口下手で何考えてるのかわからないところはあるけど、他人への気配りを常に忘れず、道を黙々と追求する姿勢が尊ばれる日本人。そういう日本人の内面をコーネリアスは演奏や映像という形で披露してくれた感じがした。みんな喜んでたよ。コーネリアスがいれば、日本からのニュースが暗いものばかりでもやり過ごせそう。ありがとうコーネリアスグループ。みんな最高だった。